平成30年8月27日~29日の日程で都市防災委員会行政調査に行ってまいりました。
【視察地】
〇横浜市調査
・横浜都市交通計画について
・緑区十日市場町周辺地域 持続可能な住宅地モデルプロジェクトについて
〇福島県庁調査
・福島県危機管理センターについて
〇荒川区調査
・災害時安否確認ツールについて
〇東京都調査
・BRTの整備について
・自衛隊統合防災演習について
〇東京消防庁調査
・救急活動の見える化改革について
8月27日
〇横浜市調査
社会・経済状況の変化や横浜市都市づくりに関する計画を踏まえて、市内の人の移動を中心に、将来にわたり持続可能な交通の実現に向け、平成20年に作成された横浜市交通計画を10年経過した本年に改定。主なポイントとして、国の「交通政策基本法」や「交通政策基本計画」との整合を図るとともに、超高齢社会の到来や国内外からの来街者の増加、ICTの進展など社会情勢の変化に合わせて、新たに福祉・観光・防災など他分野との連携を重視した計画である。過度にマイカーに依存するライフスタイルを改め、徒歩・自転車・公共交通による移動を促進し、環境負荷の軽減や健康増進、持続可能な公共交通サービス実現に向けて取り組んでいる。
8月28日
○福島県庁調査
福島県危機管理センターは、災害発生時に災害対策本部を速やかに立ち上げるとともに、消防・警察・自衛隊などの防災関係機関が一堂に会して災害に関する情報を集約・共有し、速やかに対応方針を決定し、迅速かつ的確な災害対応を実現している。また、県・市町村・防災関係機関が連携して実践的な訓練や研修を実施するほか、施設見学の受け入れや防災講座などの開催を通じて、自助・共助・公助に関する県民の理解を深め、地域防災力の強化を図るための情報発信も積極的に行なっている。
○荒川区調査
人口21万人弱である荒川区の防災への取り組みは、「燃えない、燃え広がらない街づくり」として、大きな被害が想定される木造密集地域のうち、地域危険度が高いなど、特に改善を図るべき地区を「不燃化特区」に指定し、2020年度までに整備地域内の不燃領域率を70%に引き上げることなどを目標に、不燃化建築物への建替え、危険老朽建築物の除却費用の助成などの特別支援を行なっている。また、ソフト面での取り組みとして、大震災発生時に家の中にいる人が無事であれば、シールを玄関等に貼り安否確認の必要がないことを知らせる「無事ですシール」や「避難者カード」などを区民に配布し、地域防災力向上に取り組んでいる。
○東京都庁調査
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け様々な整備が本格化している東京都。開発の進む臨海部である、勝どき・晴海・豊洲・臨海副都心などの地区は、都心から約6km圏内に位置し、都心に近接する住宅地としての開発や、MICE誘致や国際観光機能の強化など、東京の経済活動の一翼を担う地区である。あわせて、東京2020大会選手村の住宅等としての後利用も見込まれ、地域全体で、将来的には常住人口、就業人口ともに10万人以上の増加が予見されることから、公共交通に対する需要が更に増加することが確実な状況であるため、2019年からBRT(バス高速輸送システム)を導入し、2系統の運行から開始する。
8月29日
○東京消防庁調査
東京消防庁と他都市を比べると心肺停止傷病者の1ヶ月生存率(11.9%)は、全国平均(13.0%)を下回っていることから、傷病者に対して、いかに早く応急処置を実施し、適切な治療を受けられる病院に引き継ぐか、組織の戦略と現場のパフォーマンスの両面からの検討を行なっている。中でも高齢化の進展等により、更なる増加が見込まれている救急需要に適切かつ迅速に対応するため、救急活動記録に加え、気象、季節、曜日、時間帯等の外部要因データを地理情報システム(GIS)等により分析・可視化した救急需要予測システムを本年度に構築する。このシステムが運用されれば、救急隊の現場到着時間を短縮するなど大きな効果が期待される。